一般社団法人日本BPO協会は、
雇用創出の支援、行政と連携した復興支援の2点に
重点を置いて、震災からの復興を支援いたしました。
現在は、被災地の復興支援にとどまらず、
全国の会員企業に対して防災・減災への取組み支援を行っています。
雇用創出の支援
東日本大震災発生直後から、製造現場で働く派遣労働者・請負労働者の雇用を守り、事業を継続するため、厚生労働省等に雇用調整助成金及び失業給付の特例措置を求める要望書を提出するなどの取り組みを行いました。
また、厚生労働大臣の要請を受け、被災者に対する迅速な就業先の確保、復興に取り組む企業の人材確保など、人材サービス事業のマッチング機能を活かした就業支援活動を行い、震災発生からの4年間で、累計31,099人の雇用を確保しました。
行政と連携した復興支援
震災発生直後に「被災地区雇用支援センター」を発足し、雇用創出事業に取り組むとともに、被災地域の自治体や労働局、ハローワークを訪問して、被災地の失業者や仮設住宅入居者の実情やニーズなどについて情報交換、意見交換を重ね、行政の復興支援事業に積極的に協力しました。
復興支援の取組み
震災発生直後から約1か月間の取組み
要望書の提出(2011年3月15日~4月8日)
労働者の雇用を守り、企業存続のための様々な要望書を、厚生労働省や各政党に提出しました。サプライチェーンの寸断と電力不足等により被害を被った被災地以外の企業に対する支援も要請しました。
- 派遣打切りの防止対策について
- 国の緊急雇用対策における雇用保険を活用した雇用調整助成金及び失業給付の特例措置について
- 雇用調整助成金の特例措置の対象地域拡大について
雇用対策に関する要望書
要請書の受理(2011年4月8日)
厚生労働大臣から、東日本大震災で被災した派遣労働者の雇用維持、確保に関する要請書を受理し、会員企業に協力を求めました。
厚生労働大臣から雇用確保に関する要請書を受理
相談窓口の開設
助成金制度に関する相談窓口を協会内に開設しました。
製造請負・派遣事業動向調査の開始
会員企業および会員企業の取引先企業の被災状況を把握し、支援対策に役立てるため、「製造請負・派遣事業動向調査」(四半期調査)を開始しました。
義援金を寄付(2011年3月31日、4月18日)
日本赤十字社を通じて、併せて419万円の義援金を寄付しました。
日本赤十字社へ義援金を寄付被災地区雇用支援センターの取組み2011年4月~
震災によって職を失った多くの被災者の雇用の確保と、復旧・復興に取り組む企業の人手の確保など、人材サービス事業のマッチング機能を活かし、雇用を通じて被災地の復旧・復興を支援するため、2011年4月岩手県、宮城県、福島県、茨城県、栃木県に本社や営業所等を有する会員企業を中心として、「被災地区雇用支援センター」を発足し、復旧・復興への取り組みをスタートしました。
就職面接会への参加(2011年5月24日、26日)
東京労働局と東京都からの要請をうけ、被災地から首都圏に避難された方々を対象とした合同就職面接会に参加し、就職相談を行いました。
シンポジウムの開催(2011年10月19日)
会員企業に向けて、「震災復興と被災地の雇用機会創出を考える」と題したシンポジウムを東京で開催しました。
シンポジウムの様子意見交換・協議(被害状況や雇用情勢、支援対策について)
2011年 4月22日 | 日本労働組合総連合会 |
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2011年 4月26日 | 自由民主党 議員連盟 |
2011年 4月26日 | UIゼンセン同盟 人材サービスゼネラルユニオン |
2011年 5月13日 | 一般社団法人日本経済団体連合会 |
2011年 6月21日 | 経済産業省 人材サービス課 |
2011年 7月21日 | UIゼンセン同盟 人材サービスゼネラルユニオン |
被災地訪問(雇用情勢、支援対策について)
岩手県
2011年 6月 | 岩手県商工労働観光部 |
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2011年 7月 | 北上市役所 |
2012年 9月 | 大船渡市役所、大船渡仮設住宅 |
宮城県
2012年 8月 | 障がい者雇用工場 |
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福島県
2011年 10月 | 福島県雇用労政課、大玉村仮設住宅、大堀相馬焼二本松窯 |
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厚生労働副大臣への被災者の雇用確保に関する報告(2011年7月)
震災直後に厚生労働大臣より要請された、東日本大震災被災者への雇用確保の取組状況を厚生労働副大臣へ報告しました。震災発生から5月31日までの約2か月間で1,283人が就職(内定者を含む)できました。
(注)震災発生からの4年間では、累計31,099人の雇用を確保しました。
取組み状況を報告
復興推進室の取組み2012年10月~
被災地の復興のために、人材サービス事業のノウハウを最大限に活かし、被災地域での雇用の確保・開発を通じて、支援を継続的に行うため、「復興推進室」に名称を改めました。
被災地での就労支援活動・生活支援活動を会員企業や外向に発信するため、「復興推進室ホームページ」を新たに立ち上げ、情報発信を強化しました。
要請書の受理(2013年6月)
宮城県知事、仙台市長、宮城労働局長、宮城県教育委員会教育長、仙台市教育委員会教育長の連名による、「平成26年3月新規学卒者等の採用枠確保、被災求職者の積極的雇用についての要請書」を受理し、会員企業に協力を求めました。
宮城県知事他からの雇用に関する要請書
訪問・意見交換(復興の現状と雇用情勢、支援対策について)
宮城県
2014年 5月 | 宮城復興局、ポリテクセンター宮城、ハローワーク仙台 |
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2014年 6月 | 経済産業省東北経済産業局、宮城労働局 |
2015年 7月 | 宮城労働局 |
福島県
2012年 10月 | 福島県雇用労政課、浪江町、大玉村仮設住宅 |
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2012年 11月 | 県北地方振興局 |
2014年 5月 | 福島復興局、ポリテクセンター福島、福島労働局 |
2015年 7月 | 福島労働局、福島経営者協会 |
雇用創出
厚生労働大臣から2011年4月に被災者の雇用確保に関する要請を受けて、震災発生からの4年間で、累計31,099人の雇用を確保しました。
2011年3月~2015年3月までの新規雇用者数の推移防災・減災推進室の取組み2016年10月~
震災発生から5年を経過し、活動の軸を被災地の復興支援にとどまらず、震災の教訓を活かし、防災・減災への取組み支援の強化を目的とし、災害時の対応やBCP支援を担うため、「防災・減災推進室」に名称を変更しました。
セミナーへの参加(2016年10月7日)
福島県伊達市企業誘致セミナーに参加
訪問(支援対策について)
宮城県
2016年 10月 | 協会の理事会活動として、名取市閖上沿岸部、 特定非営利活動法人子どもの村東北を訪問し、協会活動について協議 |
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主な活動
- 災害発生時の会員企業の被害状況の情報収集および支援
(例)
2016年 4月 平成28年熊本地震 2018年 6月 大阪府北部地震 2018年 7月 平成30年7月豪雨 2018年 9月 台風21号(四国、中国、近畿、東海、北陸、関東地方) 2018年 9月 台風24号(四国、中国、近畿、東海、北陸、関東、東北地方) - 災害発生時の会員企業の対応状況および対応策改善の情報提供
(例)
2018年 6月 大阪府北部地震 2018年 7月 平成30年7月豪雨 2018年 9月 台風21号 2018年 9月 台風24号 - 会員企業のBCP作成に関する支援
- 危機管理マニュアルの提供
- サバイバルカードの紹介地震発生時、最初に行うこと
災害伝言マニュアルの使用方法
火災発生時の退避判断基準など - 災害対策用物品・サービスの紹介
- 講演2021年12月7日第12回新進経営者懇談会
「東日本大震災 被災と復興、防災・減災の取組み」
元宮城県岩沼市長 井口 経明 氏
官民ネットワークとの連携推進の取組み
「新しい東北」官民連携推進協議会への参加(2014年1月~)
復興庁が取り組む「新しい東北」官民連携推進協議会へ参加し、その活動を通して、被災地の企業との交流や、震災からの復興に係る取組み情報の共有・交換を行いました。
2014年 11月 | 第2回「新しい東北」会員交流会 参加 |
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2015年 2月 | 第3回「新しい東北」会員交流会 参加 |
2015年 7月 | 「新しい東北」ミーティングin東京 参加 |
2016年 6月 | 東日本大震災5周年復興フォーラム 参加 |
2016年 11月 | 「新しい東北」会員交流会in郡山 参加 |
「新しい東北」復興ビジネスコンテスト2019に協賛団体として参加
被災地の復興支援の取り組みを支援するために復興ビジネスコンテストに参加し、「キラリものづくり賞 生産技能労務協会」を有限会社飯田製作所(福島県)に授与しました。
>「新しい東北」復興ビジネスコンテスト2019公式サイト「協賛団体一覧」はこちら
2019年 11月 | 復興ビジネスコンテスト表彰式 |
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2020年 2月 | 受賞企業と記念対談 |
会員企業による支援の取組み
会員企業独自の取組み
- 訪問求人説明会を避難所で実施するなど、就労に関する支援を行いました。(岩手県、宮城県)
- 支援物資(水や簡易トイレ、非常食等)の運搬・提供を行いました。(宮城県)
- 復興支援イベントへの協賛・参加、チャリティイベントの開催および復興支援グッズの販売による売上金の寄付等を行いました。
自治体事業受託の取組み
岩手県
- 「沿岸被災地 仮設住宅運営支援事業」(2011年9月~2016年3月)大船渡市と大槌町で合計約4,500戸の仮設住宅の運営支援を、地元から支援員を採用して実施しました。北上市やNPOの協働チームとの連携をもとに、仮設住宅団地内でのコミュニティづくりや運営の補助、仮設住宅に暮らす被災者の生活環境の改善に取り組みました。
- 「被災求職者雇用等・人材育成事業」(2012年4月~9月)沿岸部の仮設住宅等において、インターネットを活用して在宅で遠隔授業を行い、在宅型のコールセンターの人材育成を行いました。
宮城県
- 「事業再開・復興に伴う雇用促進業務」(2011年10月~2012年3月)販促物作成・企画制作スタッフの育成のため、OFF-JT、OJT教育を実施しました。
- 「企業誘致支援業務」(2014年1月~2015年1月)民間投資促進特区、まちづくり促進特区の対象企業を訪問し、施策の周知と申請書類作成等の補助を行いました。
- 「沿岸地域就職サポートセンター(被災者等求職活動支援)事業」(2014年4月~2020年3月)沿岸地域の求職者や就労意欲が低下している被災者に対し、就職意欲の醸成を図る支援や資格取得のための支援を行い、就職促進を図りました。
- 「宮城県被災者等就労状況調査業務」(2014年12月~2015年3月)就労支援施策の基礎資料として活用する為、気仙沼地域で、被災沿岸部の被災者の就職・求職状況の実態調査を行いました。
福島県
- 「がんばろう福島! 絆づくり応援事業」(2011年6月~2017年3月)避難所・仮設住宅等の運営体制を強化することで、避難者同士や地域住民などとの絆づくりを図るとともに、避難者や失業者を雇用することにより、早期の生活再建を支援しました。
- 「がんばろう福島の企業!産業復旧・復興事業」(2011年9月~2012年3月)デザイン作成ソフトを用いて、復興する企業の広告作成、訴求できる人材を育成しました。
- 成長産業等「人材バンク事業」(2013年4月~2014年1月)失業中の労働者に対し、キャリアチェンジができるよう、ビジネスマナー、5S、コミュニケーション、パソコン基礎教育などを実施、受け入れ企業を開拓、マッチングを実施しました。
- 「働く人づくり応援事業」(2014年4月~2015年3月)求人企業のニーズを確認し、その業種・職種にあった人材の育成を、OFF-JT等を通じて実施、特に介護人材においては40名を超える人材をマッチングしました。
- 「若者自立総合支援事業」(2015年4月~2016年3月) 引きこもりの若者を対象にカウンセリングを実施、ビジネスマナー、コミュニケーション能力の開発、農業を通じた共同作業などにより、開拓した受け入れ企業にて短時間労働をできる人材を育成、2年間で延べ19名の就職を実現しました。